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スレッドNo.1075

川面  秋冬

川面を走る女を見たのは 
一昨日の朝のことだ

たぶん
誰も
信じてくれまいと

今朝は
いつでも
撮れるように
構えている

年齢は
分からず
思い返せば
髪が長かっただけで
男だったかもしれない



待ち構えると
現れない





ぼくは
川に近づき
スマホを
尻ポケットに入れ
大きく深呼吸する

一回、二回、三回と

心が決まり
向こう岸を
目指して
川面を
走り出す

一歩目から
浮かばず
ランニングシューズは
ずぶ濡れになる

川幅
十メートルほどの
浅瀬


髪の長い人が
追い越していく

年齢も
性別も
分からないが
川面を
走り抜けていく

向こう岸に
着いたら
消えた


あれくらい
髪が伸びるまで
続けたら
ぼくも
川面を
走れるように
なるだろうか

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