悲しき赤 cofumi
マンションの10階から
真っ赤な世界が見えた気がした。
「花言葉は情熱ですよ。」
貴方はそれをどこに
埋めてしまったのでしょう。
「あの」カールした先に
君への想いを書き込んだと
頬を紅潮させて言いましたね。
貴方の言葉はいつも私を惑わせた。
同じ遺伝子を持つ曼珠沙華
「あの」が「どれ」なのか
それを聞くことさえはばかりました。
二人過ごした日々は
子供の水遊びくらいに楽しくて
赤が一斉に目覚めたら
「悲しき思い出」に塗り替えられました。
まだ、貴方が
それほど、貴方が
ただ、ただ、恋しくて