静かな街の夜遅く 大杉 司
今日も街は賑やかだった
若い荒声や老けたか細い声
その両方はしだいに消えた
皆帰る場所があるのだろう
静けさに包まれたこの街は
非常に退屈で寂しかった
朝と夜とでこんなに差があるのかと
独り横たわりながら思う
日が変わってもなお
静けさは続いていく
何か独り取り残されているような
何か一人違う空間にいるような
そんな気がして眠れなかった
朝になると街はまた
賑やかになっていく
それまでこの空間にいよう
独り横たわりながら決めた
暗く眩んだこの夜に
僕は今空間を彷徨う
街灯は照らすことを止め
暗闇に浸っている
それでいい
そのままでいい
午前0時頃
何かが変わった気がした