秋の祟り 暗沢
腹中にて石へと転じた
赤錆めいたグロテスクもまた
秋の実装であったろうか
過ぎる紅黄を惜しみつつ秋を
押し込んだものであるが
転じて石へ 鈍痛へと
挙句の果てに
然るべき場所にて溶解に至った
それら 一見するならば
凝り固まった屎にも見え 或いは
鉄屑のなり損ないにも似た奴らも
また秋の実相であったかと
「あんた、柿を食い過ぎましたね。美味しいからといっても少し控えないと」
などと医師がレントゲンに映る影を指差し言う いや実に
秋という季節とは難儀な季節であったな
冬からは蜜柑にしようかな
※柿胃石について https://www.hospita.jp/disease/3728