夜明け前の無人駅
雨はシャーベット状になりやがて雪になった
無人駅の近くには川が流れ
寡黙な景色とともに長い冬のプロローグを描いていた
六時半の汽車が入り、人気のない駅に
一時のわずかなディーゼル音が聞こえ
やがて人工的な警笛が鳴ると
県境のトンネルへと向かっていった
もう少しすれば除雪作業員の白い息が
夜明け前の無人駅のプラットホームに彩られる
重くたたずむ白い光の外灯の下で
ざくりざくりと雪をすくっては捨てる
冬へのいざない
そこに立ち向かうための
橙色の灯りと
冷たさを切りさく
ナイフを磨く