ひとさしゆび おおたにあかり
ひとさしゆび
と口にするとき
ひとさしゆび
をつかうとき
少しだけ
背中がひんやり
するのです
ほら、あの人
と指され弾かれぬよに
先手必勝とばかり
誰かをさしたこと
きっと誰でもあるはずで
しぃー、内緒ね
唇に指あてすこぅし笑い
秘め事抱えたあの時も
ひとさしゆびは憶えている
ひとさしゆび
使い方を間違えないで
なんて陳腐過ぎるけれど
人刺す指よ
サシチガイに要注意
ひとさしゆび
舌先尖らせて舐めてみる
ぴりりと痺れた気がする
ほんのりしょっぱくて
ひとさしゆびって
口にするのも使うのも
やっぱり
ヒヤリとするのです