初雪 ゆき
散歩をするには寒すぎて
吐く息さえも凍りそうな夜に
家路を急いでいた
今夜は初雪が降るらしい
初めての恋をなくした時も
可愛がってくれた祖父が逝ってしまったのも
こんな夜だった
僕にとってはあまり嬉しくもない季節で
早く過ぎるのを待つばかりだ
鼻先に冷たさを感じてポケットから手を出した
静かに落ちてくる白い綿帽子を
手のひらに乗せて真っ暗な空を見上げた
儚げな
地面に落ちて汚れてしまう前の
清らかな結晶が僕の手のひらで
冷たい水になって流れ
寂しさだけが残った
散歩をするには寒すぎて
吐く息さえも凍りそうな夜に
家路を急いでいた
今夜は初雪が降るらしい
初めての恋をなくした時も
可愛がってくれた祖父が逝ってしまったのも
こんな夜だった
僕にとってはあまり嬉しくもない季節で
早く過ぎるのを待つばかりだ
鼻先に冷たさを感じてポケットから手を出した
静かに落ちてくる白い綿帽子を
手のひらに乗せて真っ暗な空を見上げた
儚げな
地面に落ちて汚れてしまう前の
清らかな結晶が僕の手のひらで
冷たい水になって流れ
寂しさだけが残った