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スレッドNo.1228

がらんどう 暗沢

寒風の下 空を仰ぐ
が 直に項垂れる
堪え難くなってくる
目は既に霞んでしまった

白いもの ちらつき始めた
この季節 仰ぎ見る先にあるのは
あの隆々と間近だった 夏のそれや
秋の遥かだったそれとも 異なるもの

冬の空 空ではないのだあれは
見上げる先 拡がるのは
蒼穹の取り払われた 虚ろ極まる
吹抜けに過ぎない

空には海月が浮遊するものだが
傘が凍るのを厭うのだろうか
脚も残さず 消え失せた
跡形もなく 虚しさすらも

ただ展かれた空間より
ただ降り注ぐ曖昧に
私は堪えられそうにない
堪えられるはずがない

寒風の下 空を仰ぐが
顔向ける先は どこまでも
がらんどう もう私は
脚が動かなくなってきた

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