「ドラマチックに憧れて」 水野 耕助
どれだけ
憧れを抱いたとしても
あの歌の世界の中に
僕のような
人間は存在しない
ドラマチックな
あの世界に
ふさわしくない
僕は
異物でしかなく
どこを探しても
居場所は見つからない
そこにあるのは
美しい言葉とメロディー
僕の濁った声では
まるで届きそうもなく
憧れは僕の首を
強くしめつける
今いる現実世界で
僕にできることといえば
濁った声で
叫び続けるしかなく
ドラマチックとかけ離れた
世界の中で
僕は必死に叫ぶ
美しさとかけ離れた
この声が尽き果てるまで