けんけんぱ さくたともみ
けんけんぱ
けんけんぱ
次の貴方もけんけんぱ
知らない君もけんけんぱ
白いチョークで
書き足して
土には枝で書き足して
ずっとずっと、けんけんぱ
今日はまだ帰っちゃいけないから
チャイムが鳴ってもけんけんぱ
少年団のみんなにさようなら
お迎えの来た小さな貴方もさようなら
人が帰り始めると楽しくなる
世界がずっと開けて見えるのだ
焼き魚はどの家の晩ごはん?
赤屋根のお家はカレーみたい
ぐおお、とお腹が蠢いた
夕日の柔らかな光が 冷たい海へ沈んでいく
いつの間にかピアノの音は止んでいた
上手なあの子は何時間も練習しないと酷く叱られるらしい
ブランコに座っていた少女が突然飛び降りた
走り去る足音は遠ざかり
きい、きい、き、
鎖の擦れる音が鳴っていた
けん、けん、ぱっ
書いた丸が見えなくなっても
私はまだまだ続けてる