創造の神々へ 猫目屋倫理
私は何も生み出せない
これは紛れもない事実
オリジナリティなんてない
だって私人間だもの
私が創り出すものは大抵誰かが先に創っている
人類が始まってから一体何人目の人間なのか
地球が始まる前から一体いくつめの生命なのか
そんな途方もない創造の
最先端にいるのだから
私は何も生み出せない
これは覆ることのない事実
著作権なんて馬鹿馬鹿しい
だって私人間だもの
私が知り得る創造なんて世界のほんの僅かなのだ
社会が記録できた歴史は一体どれだけなのか
世界が遡れた時間は一体どこまでなのか
そんな途方もない過去の
起源など誰も知らないのだから
いつも何かを考えている
複製
繰り返し複製
権利など私にとっては瑣末な問題
何も変わらない
私は何も生み出せない
そして私はそれを知っている
同じ
同じだ
私も同じ
こんな言葉の羅列だって
いつかの誰かと同じなのだ