出涸らしのうた ロンタロー
誰かと偶然に出逢い
運命を感じたこともあった
再会が必ずあると
奇跡を信じたこともあった
時が経つのは本当に早い
少年老い易く学成り難し
命短し恋せよ乙女
一炊の夢のようだ
あっという間に過ぎてゆく
あっけなく終わってしまう
良くも悪くも何事もなく
何となく終わりを迎える
小春日和の縁側で
ラジオを聴きながら
温かな焙じ茶を飲んでいる
何かを夢みたこともあったような気がする
誰かに恋したこともあったような気がする
遥か遠い昔話のようでぼんやりとしている
誰もいない縁側で
何杯目かの焙じ茶を飲んでいる
もう出涸らしだけれども
今日は良い天気だ
年季の入った急須と湯飲み
干乾びた手の甲を見つめていた