◎2022年12月27日~12月29日 ご投稿分、評と感想です (青島江里)
2022年12月27日~12月29日 ご投稿分、評と感想です。
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新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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☆安眠ラムネができる晩は 紫陽花さん
安眠ラムネって何だろう?!と、まずは、タイトルに魅かれました。星を丸めてラムネをつくるって、ユニークですね。
黒豹と羊と地上から空へのぼり、夜空の風景の一部になる流れですが、個人的には少しわかりにくい場面もありました。今回、黒豹は夜の闇で羊たちは星と、頭の中で設定して拝見させていただきました。
三連目に「かじる」という言葉がありますよね。こちらは黒豹が羊をかじるということなのかな。もしそうだとすると、ちょっと露骨な感じもするので、「追いかけると滑り落ちて」というような感じにしてもいいかなと思いました。
あと、文字の表記ですが「羊達」ですが「羊たち」にする方が読みやすいし、弱くて柔らかな生き物の雰囲気を出すことができると思いました。
作中の「流星群」という言葉についてですが、羊の大群を思い浮かべることができると同時に、空の壮大さを感じさせてくれる表現になっていると思いました。
詩全体について思ったことですが「星を丸める」と「空にのぼる黒豹と羊たち」という、二つのユニークな発想が存在しています。どちらも面白いのですが、できれば一つに選択する方が、読み手の中にはスッと入ってくる作品になるではないかと思いました。
タイトル優先にするのなら、「星を丸めてラムネ」一択にし、黒豹対羊たちは、主人公が空を眺めているとそのように見えたと簡潔にまとめるくらいにしてみると、もっとうまくいきそうだと思いました。
ユニークな発想を楽しむことができるのも、詩のおいしさであると思います。こちらの作品は、そのようなことを楽しみながら描いていると思わせてくれる作品になっていると思いました。今回は佳作一歩手前で。
☆わたしは ぽけっとに てを いれている 森山遼さん
詩の世界の舞台となっているのは、雨ですね。雨の音の空間を繰り広げてゆくことで、詩的な空気感が生まれてきていると思いました。そしてその空気感が作品全体を包んでいるとも思いました。
詩の中の「ふっている」と「ふってる」ですが、特に何かこだわりがないのであれば、どちらかに統一することをお勧めします。他をみていると「あるいている」「いれている」等の書き方が多いので「~いる」にそろえるがベストかと思いました。
雨の音の強弱に紐づけられて、表現されていく心の展開。雨が激しいとき、静かに歩いていく主人公の姿は、崩れそうにも思えますが、心の底にある、落ち着いた強さをも感じさえてくれました。
詩全体が、とても不思議なリズムを放っています。なんて言っていいのかうまく言えませんが。自然の中に「詩」を感じたのですね。自分なりに一生懸命表現しようという気持ちが伝わってくる作品だと思いました。
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昨年中は、MY DEARに参加されているすべての皆様に様々なまなびをいただきました。
大変お世話になりました。どうもありがとうございました。
真面目しか取り柄のない、つたない私ではございますが、
心を込めて取り組みたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
本年が皆様にとって、よいお年でありますように。