冬の温かさ じじいじじい
雪景色の中 学校からの帰り道
気温が低く朝からの雪も降り続いている
コートは着ているが手袋はしていなかった
かじかんだ手を擦り合わせながら駅へ向かっていると後ろから私を呼ぶ声
私が片想いしている彼だ
「寒いね」「寒いね」と寒さを確認し合い
駅まで一緒に歩いた
彼は私の手を見て「手袋ないの?」と言いながらさりげなく右手で私の左手を握った
「手が冷たいよ風邪ひくよ」と笑顔を私に向けた
私はいきなりの事だったので驚いた
驚いたと同時に心臓が張り裂けそうに鼓動が早くなり顔が赤らんで火照りを感じた
ドキドキしながら手を繋いで歩いていると彼は言った
「前から好きだったんだ 付き合って下さい」
私は何を言われたかなかなか理解出来なかった 何も答えず黙っていると「俺じゃダメ?」と泣きそうな顔で私をみた
私は首を横にふり涙を流しながら「私も好き」とやっと声がでた
彼は私を見ながらありがとうと言ってくれた
寒い雪の日なのに さっきまで寒さを我慢していたのに今はちがう
寒さなんて頭からなくなった
左手から伝わる彼の右手の温かさが寒さを忘れさせてくれた
生まれてはじめて寒い冬の外なのに温かさを感じた ずっとずっと手を繋いでいたい
時間が止まってほしい 彼との時間を感じていたいから
降り続く白い雪が雪景色が彼との2人だけの世界に感じた