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スレッドNo.1356

2023/1/3(火)〜2023/1/5(木)の感想と評になります。 齋藤純二

ちょっと早い評ですみません。
この先、アップするタイミングがなさそうなので………



心の洗濯     埼玉のさっちゃんさん     1/3


反対側のホームから。仕事へのホームではなく、癒しへのホームから旅が始まるのですね。ああ、その感じわかるなあ。通勤時に下りの電車を見ると乗客も少なく、雑踏から離れたい気持ちが湧いてきたりします。そっちに乗ってどこかに……。たまにそんなことを考えてしまいますね。
そして、こちらの作品では休日に、日頃の頑張りへの自身へのご褒美とでもいいましょうか、反対側のホームから、旅先でのちょっとした現地の方との会話に癒され、心が洗われる旅というのは素敵ですね。また普段聞こえないな音が聴こえてきたり、普段見ない景色にうっとりしたり、そんな気持ちが詰められた作品は明日からも頑張るぞ、と結ばれていましていい流れになっています。
日常の忙しさに心が汚れてきたのなら、そうか洗濯をしなくちゃやっぱりだめだよな、なんて思いながら拝読させてもらいました。私もどこかへ旅に出たくなりましたよ!

あとはせっかく旅に出たのですから、その現地特有の雰囲気とか具体的なエピソードを入れることにより、読者ももっと楽しめるのかな、なんて思いました。
評価は「佳作一歩前」です。





元旦に鳴る風鈴     松宮 定家さん     1/3


初めまして松宮さん。わたくし齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。

ほんと一年、早いです。過ぎてしまえば作品にありますように、一つの風が吹き抜けるがごとく、ですね。この間、令和元年になったと思ったらもう令和五年ですから、びっくりです。

元旦は富士が賀正を吟ずほどに、あっぱれな天気だったようですね。ご生家への道のりで風鈴の音が聞こえたのですか。音とか匂いとか、一瞬でその季節や記憶を思い起こしたりしますね。ちょっと話が脱線してしまうのですが、私は電車内とかでとある香水の香りを嗅ぎますと、幼稚園に行っていた頃を思い出したりします。たぶん幼稚園の先生がつけていた香水と同じ香りなのでしょう。あっという間に50年くらいは時が遡ってしまいますね。ああ、やはり時はひとつ風が吹き抜けるがごとくですね。すみません、話しが戻りまして、風鈴の音を「その調べは 天よりのささやかな祝い鐘」と表現されとても言葉が優しく素敵ですね。また、そこに時の速さも伝えている綴りがお見事ですね。
作品の結びもしっかりと着地していまして、バチっと決まっています。そうですね、世間の時の流れにひとは不恰好になったりしますが、一瞬一瞬で輝きを発することを忘れてはいけませんね。こちらの作品から学ばせていただきました。ご投稿をありがとうございました。





つくろう人の歌     理蝶さん     1/3


新しい音楽が

今日も空から

ミュージシャンの頭に降っている

今日の天気は晴れのちメロディ

夕方にかけて
哀しい和音が
降るでしょう

そんな予報

いや〜、この出だし最高にいいですね!
素敵な和音が降る天気予報なんて表現は思いもつきませんし、なかなかやってくれましたね。ブラボー。題名も素敵です。
一連はミュージシャン。二連も詩人についてのひらめきを表現豊かに綴られています。いいねっ。それ以降は自分について、君への創作表現への誘(いざな)いが語られていまして、「だから諦めずに音楽を、言葉を」といって自分に誰かに喜びを得て欲しいというメッセージが爽やかに表現されています。悲しみが空へ青く溶ける、とも綴られていますね。いやいや、ここの表現もピカイチです。

一連、二連、三連と綴りが進んでいきますと「音楽」「詩」の二本立ての流れにちょっと無理が出てきているような気がします。うーん、難しいところですね。「君には音楽がある」「君には言葉がある」となってますが、内容的には音楽のことは出だしだけで、あとは言葉のことしか語られていませんので、そこで作品の景色がバランス悪くなっているようです。
ミュージシャン、詩人、僕、君。登場する人物をちょっと欲張ってしまったのかもしれません。「つくろう人の歌」と題名からするとミュージシャンが作詞、作曲するといった流れにして、詩人が登場しなくてもいいかもしれませんね。また、「言葉」をつくろう人として詩人の内容で括ってミュージシャンなしでもいいかもしれません。
パターンとしては
1 ミュージシャン /曲 詞
2 詩人 君/言葉 
3 芸術家 君/言葉 曲 写真 絵(芸術全般的な。これは難しいかも)
「僕」は語り部として、語っているけれど「僕」という言葉を綴り登場させない方が、こちらの作品ではベストかな。
作品の流れが絡まないように工夫されるといいと思いますよ。ご一考くださいませ。

評価は「佳作一歩前」です。





神様 私に 妻を 愛することが できるでしょうか     森山 遼さん     1/3


いやいや、充分に愛することができていますよ!

これだけ奥さまのことを考えているのですから間違いないです。そして、それにしても奥さまが愛らしいというか、ちょっと個性的なところがまた魅力に感じるのでしょう。カエルの好きな奥さまが、自分の手がカエルに似ていると言い、そして虫を頬張る真似をするんですから、なんてお茶目なんでしょう。作品の構成でいいますと、このくだりがあることで奥さまを守るための話しの流れに、まろやかな雰囲気を注ぎこ込んでいると思います。大成功です。そして旦那さまの方はなんとなく気弱で心配性で自信なさげですが、奥さまへの愛はご本人が気付いていませんが、めちゃバカでかいことになっているというのも、なかなかいい設定で、読者はがんばって奥さまを守ってください、と伝えたくなってしまうでしょう。

まあ、要らないアドバイスかもしれませんが、奥さまを守るためには旦那さまの健康があってことですから、自分を守ることも大切になってくるでしょう。ああ、私もこちらの作品の旦那さまみたいに、妻を守る愛情をもっと持たないとイカン、なんて反省しつつ感想とさせてください。今回は作品が素晴らしかったので評になっていませんね。すみません。

評価は「佳作」です。





うさぎ     山雀詩人さん     1/3


絵本を読むように目の前に映像が浮かびますね。会話のリズム、内容がとてもよいので楽しく拝読させてもらいました。そして、オウム返しのような会話というテクニックも上手に使われていまして、最高ですね! 楽しく拝読させていただきました。ベタなストーリーですけど、上手すぎるっ。
本棚で挟まれているわたしたちと遊んで欲しい、という気持ちがガンガンに伝わってきました。そして、オチですね、お見事でした。みなさんぜひご拝読くください。

ハメてきましか、卯年ですからね。
評価は「佳作」です。





未明の作業     鈴木紫肌さん     1/4

初めまして鈴木さん。わたくし齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は感想を書かせていただきます。

まずは題目がめちゃカッコいいですね。
未明までお仕事をされている場面なのでしょうか。それともなかなか眠れずに自己を見つめている場面なのでしょうか。そのへんがよくわかりませんでしたが、どちらにも取れる感じですね。それとももしかして自死についてなのだろうか(「戻らないサヨナラ」の意を考えると)。と、私にとっては難しい作品でした。

語り部が卑屈になるようなことがあり、変わってしまった自身を強く自覚していることはわかりました。そして「大丈夫」と自身をなんとか励ますことが出来ているということがポイントのような気がします(その励ましは歪みに歪んでいても)。縁をなぞるギリギリの励まし、って感じですね。「汚れてしまっても大丈夫」という自己愛が、完全に喪失していないとも言えましょう。汚れているということへの羞恥心、屈辱も語られていますから。
なんとかこの語り部が浄化されるような未来を願いつつ、興味深く拝読させてもらいました。すみません、感想にもなってないようですが……。

またの鈴木さんのご投稿を楽しみにお待ちしおります。





家族の形     紫陽花さん      1/4


疲れていたりするとちょっとしたこがめちゃ腹に立って、怒っちゃうことありますよね。こちらの作品はご夫婦での出来事なのでしょう。トイレットペーパーの芯、そのまま状態ですか。なんかわかりますよ、またかよ、って(怒)。そして、怒ったのちの朝方に夫婦がパズルになっているという展開、アニメを観ている感じで楽しく場面が目に浮かんできました。昨夜怒りすぎたからパズルになっていると納得しているところが、一番笑ってしまいました。そう来たんかいなー、て。
そして、なんだかんだ朝から仲むつまじい夫婦。はい、はい、ごちそうさまです、という感じでクスクス笑いながら楽しく拝読させていただきました。

あーこんな感じで

合うような合わないようなままで

そんなもんでしょう夫婦って、共感っ。
たぶん初夢だったのでしょう。
パズルから戻れると思いますよ!

評価は面白いから「佳作」です。
(ああ、ちょっと題名にひと工夫欲しいかな。ここも面白い方が)





クソ中国人と云われる前     紅桃有栖さん     1/4


初めまして紅桃さん。齋藤と申します。何卒、よろしくお願いします。今回は私にとって初めての方なので感想を書かせていただきます。

そうですね、島さんがおっしゃっていたようにこちらの作品は自虐的な内容に読み取れますね。なので「クソ中国人と云われる前」の「クソ中国人」は語り部本人のこととして解釈します。

中国、フランス、イタリア、サバンナ、モンゴルと世界を股に掛けている語り部の話になっているようです。この「俺」は何を生業としているのか、気になるところですがこちらの作品ではそこは重要ではないですね。登場人物は「親父」「姉さん」「俺」の三人で、家族に対しても暴力(心身への)を振るような親父だったのでしょう。その環境下で自分の存在価値を見出せない姉さん、そして親父を許せない存在、あるいは亡くなって当然の存在と思っている俺。こちらの作品では過激な口調でいろいろと語られていますが、表現されている心情というか、思いは俺の姉さんへの愛だというのがストレートに伝わってきます。読者はそのように受け取ると思います。あんな親父に影響されて蔑まされた目で見られ生きていくなんて、馬鹿らしいだろ、そう言いたいのでしょう。俺たちの蝕んだ過去をどうにか繕い生きていこうぜ、なあそうだろ、と。
また、ふと思ったのですが俺の口調からして、もしかして親父と俺は似ているのかもしれない、と感じました。親父も俺と同じような環境下で育ち、子どもの育て方を狭義の中でしか見てこれず、そういった過激な表現が親から子へ伝承されてしまうのは、ある意味育て方を知らないのだから必然なことになってしまうのかな、とも感じました。
壮絶な人生観を描かれた作品になっていますね。かなり読みごたえがありました。今後、いろんな景色が覗ける作品も期待してお待ちしております。



。。。  。。  。。。  。。  。。。
本年もよろしくお願い申し上げます
良い年になりますように!

編集・削除(編集済: 2023年01月08日 06:27)

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