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スレッドNo.1389

偲ぶ  理蝶

ひりつく風が墓地の狭い路を縫う
枯れた葉を悲しく鳴らす

あなたがいないことを受け入れるのには
僕はまだ幼かった
だってあなたがいるということが
どんなことかさえ
まだわかっていなかった

ちぎれちぎれに頭にしまわれた
あなたと別れるために踏む
いくつかの段階での光景が
僕にとっての死だった

荼毘に付され登った煙は
あなたではなかったし
壺に入り押し黙る骨も
もうあなたではなかった

喪失に抗うため
人は煙や骨にあなたを重ねるけど
それは証であって薬ではないと
思い知った

あなたを思う時
空を見上げれば良いのですか
手でも合わせたら良いですか
そばにいると諭されても見えないのなら仕方ない

言葉を尽くし時は過ぎた 
涙を流すことももうない
今はただ 会いたい
それだけが静かにあって

ひりつく風が墓地の狭い路を縫う
風は立ち登る線香の煙を乗せて
西へ抜けていった

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