MENU
718,037

スレッドNo.1400

三日月  山雀詩人

ふわふわのスリッパを買った
真っ白なファーのスリッパ
さっそく家で履いてみると
予想以上のふわふわだった

足が床からふわっと浮いて
まるで雲の上のよう
脱いでそろえると
まるで二羽のうさぎのよう

夜 玄関のドアを開ければ
ちゃんと待っていてくれる
朝から微動だにせず
一心に僕の帰りを

なんてかわいいうさぎだろう
こんなにも僕のことを
しかも疲れた足を通せば
そこはもう雲の上

暗い夜空をサーフィンだ
ふわふわうさぎの背に乗って
星の波間をサーフィンだ
今宵は三日月のヨットも出て

なんてすてきな夜だろう
僕はすっかり満ち足りて
うさぎたちに言う
これからもずうっと一緒だよ

その瞬間 目が覚めた
うさぎはもういなかった
いったいどこへ
探しても見つからない

そもそもすべては夢だったのか
三日月に尋ねるけれど
月はぷいっと横向いて
やがて雲の中にかくれた
 

編集・削除(編集済: 2023年01月20日 17:52)

ロケットBBS

Page Top