萎れる 理蝶
古財布のしとけなさ
家庭菜園の寂しさ
断水の時の楽しさ
夜干しの後ろめたさ
小籠包の情けなさ
田舎のバスの優しさ
ブルーライトの艶やかさ
シャンデリアの愚かさ
寝不足の日には
それらが混ざっては一つになり
憂鬱として現れる
寝不足の日の悲しい気持ちは
いつかの僕が追いやった気持ち
くたびれてしまったら
追いやる力が弱くなるから
こんな日にはどんな問いにも
出す答えは決まって
曇り空のナイフのように
僕を刺すもので
考えては足がもつれて
涙をこらえる
こんな日にはどんな物にも
思う事は決まって
抽象画の朝陽のように
輪郭のない苛立ちで
道端の花に唾を吐いて
やるせなくなる
早く1人になろう
早く1人になろう
そして眠ろう
微笑みが痛く無くなるまで
ゆっくり眠ろう
少しずつ疲れていたのかも知れない
泥のような眠りに後は任せることにして
とにかく家へと僕は足を早めた