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スレッドNo.1411

あした天気に  U.

60ワットの電燈
枯れた光の零れ落ちる中
タバコの煙の向こう側に
私を通り過ぎて行った人の顔が、浮かぶ
思い出すこともできなくなった人の顔が、浮かぶ
紫の煙が目に沁みる

行きて帰らぬ想いを
凍えて滑る冬の風に乗せて
遠へ吹き飛ばす
小さな吐息が身を震わせ
存在への不安と懐疑が
私の手を捉える

まわりの空気は
張り詰めたガラス
何処か遠く
コトンと落ちた溜息に震える
そのとき
私の心臓は瑠璃の珠
流れる血は水銀
薄い瑠璃の珠は見る間に
裂けて砕けて、そして散る

硝子の夢は
粉々に砕けた
大事にこの手の中で暖めてきた
小さな硝子の夢は
この手の中で粉々に砕けてしまった
手は傷だらけ
血が赤い
あの時は、あの笑いは、・・・全て幻
みんな忘れてしまった
みんな置いて来てしまった
独り、甘い光の中
硝子の夢は、粉々に砕けて、風の中

そんな瑠璃色の想いの中で
独り呟く
何かおもしろいこと、あるといいね
独歩独吟
でもね・・・

砕けた夢を紡ぎ直すために
何をすべきか分からない
嘗て、時がくれば全て分かると思っていた
でもね・・・

それは嘘
何をなすべきか、分かったら最高
そして、それができたら

相変わらず、暗い穴の中
遠くを見つめる目
遠くが見えない


溶けるといいね
明日こそ
天気になれ

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