MENU
491,075

スレッドNo.1442

一月の川底  朝霧綾め

公園の石畳を
ステップ踏んで歩いていく

陽の光が
冬枯れの木々に射しこむので
石畳は金色の川底
そこに木々の影で
黒い大きな網ができる

まるで川の中にいるよう

青空は
水中から見上げる
陸の緑の色

ちりんちりんと音をたてて
通り過ぎる自転車は
澄んだ声を持った
美人の魚かしら

すべり台だって
魚たちの遊び場にぴったりの
石か水草みたい

人間の姿のまま
魚になった私は
お気に入りの水色のスニーカーで
歩いていく
明るい陽だまりの部分は踏みながら
網の黒い縄は飛び越えて

黄色い陽だまりを
一歩踏むたび
ぱしゃん、と小魚たちの跳ねる音

大きな魚の私は
ゆうゆうと歩いていき
網の部分もぬけだした

うしろを振り返れば
大きな網が黒くはられている
少しほっとして
今度は何もない
あたたかな日なたを歩く

一月 快晴の日

編集・削除(未編集)

ロケットBBS

Page Top