嘘笑い 喜太郎
喜んだ時の顔って?
怒った時の顔って?
悲しい時の顔って?
楽しい時の顔は?
わたしは
ナチュラルな表情さえも分からなくなってた
歪んだ作り笑いをして
曖昧に許してしまう
嘘泣きで媚びて
楽しいことなんて無い
わたしは
心に感じた事さえ分からなくなってた
歪んだ愛想笑いで凌いで
熱くなることなんて無い
悲しみは逃げて避けて
楽しみなんて見えてなかった
わたしは幾つもの仮面を持つ様になり
器用に立ち回る
誰も知らない 素顔
誰にも見せない 感情
違う 忘れてしまっていた
心の中の大切なモノを入れる箱は
鍵も無いのに閉めっぱなしでした
両手の手のひら
大きくて暖かい
わたしの頬に当てて
『嘘笑いしてるね』
そう言ったあの人
その時久しぶりに怒った
両手を払いのけて
怒鳴っていた
なのにあの人は笑っていた
何かが心の中の箱を揺らした