アート 秋冬
視覚や聴覚で
頭を
心を
かき乱される作品
に出会ったとき
アート
と括って
落ち着こうとする
絵画でも
音楽でも
文学でも
アート
わたしが
口にする
アート
とは理解不能なもの
という意味なのかもしれない
芸術ではなく
人間であっても
時として
アート
だと思う
わたしが
口にする
アート
とはわたしにはないもの
という意味なのかもしれない
つまり
わたしが
口にする
アート
とは
嫉妬だ
理解できないものを
理解しようとすると
苦しくなるから
せめて感じたい
と思うのだけれど
感じることすら
できないものを
わたしは
アート
と呼ぶ
たぶん
わたしが
口にする
アート
とは
憧憬だ
やりたくても
やれないもの
なりたくても
なれないもの
すべてが
アート
わたしは
アート
になりたいが
わたしは
アート
にはなれない
なのに
世界は
アート
だらけ
悲しい
けれど
それが
現実だ