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スレッドNo.1629

塵箱の中  侑輝。

ツルを折った
カブトを折った
シュリケンだって、折ることができた
金色の折り紙は、大切な時に使おうと思った

金色のツルを折ることはなかった
金色のカブトなんて、きっとカッコよかったんだろう
金色のシュリケンはよく飛んだだろうに

後悔しているなら今折ればいい
なんて、そんな話じゃなくて

賞味期限切れの卵
それは高価だった

後で食べようとしていたら、いつの間にか賞味期限が切れていた
まだ食べられた
けど食べたくはなかった

卵は捨てた
では、欲は

抑えつけてなかったことにした欲
知らぬ間に忘れてしまっていた欲
あえてとっておいて、しまっていた欲

いつかどこかの孤独な夜に、それはあなたに刺さってくる

ツルもカブトも、シュリケンだって捨てた
金色の折り紙は、使わずに捨てた
大切な時に使うということは、使わずに捨てるということだった
そんな塵を大切にする必要などなかった

本当は塵になる前に大切にしなければならなかった

こんなに静かで孤独な夜に、そんな記憶が私に刺さる

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