さよならの固形
君の微笑みが
とおくにあるので
私は
そこにゆく
言葉を持たない
瞳を伏せてはいけない
あなた
冷気がまわりに凝縮して
寂しそうだから
青空の下で笑ってください
ひとりじゃなく
私に微笑みが届くように
七月には七月の微笑みがあるのね と
あなたは言う
私は七月の愛と七月の悲しみを思う
空だって飛べるかもね
寂しささえあれば
七月の空は悲しみに満ちて
私らに七月の花々を見せるだろう
アマリリスの歌を歌ってください
私の声がふるえるように
ふるえながら 居場所を見つけられるように
さみしいときさみしいと言ってください
私は言葉を知らないから
小さな手に
小さな 指があって
白いよね
ほんとに白いよね
口づけしてはいけないの
忘れゆくものだから
ああ なぜ
さよならは こんなにも
わたしの心に
さよならの固形を創るのだろう