君とカフェで
ここのところ 私は
病院から届く
毎日死ぬかもしれない
なんていう澱みと
暮らしている
澱みはだんだん
家中に溜まっていって
最初はもやだった澱みが
今はゼリーの海になって
床にタプタプしている
歩くたびに足を取られて
時々転んで
ふと鏡を見ると
私の顔には大きなくまが
できていた
こんな時は
やっぱりいつもの君に
LINEを
ねえ私死んじゃいそう
辛いの
なんだか分からないけど
本当は 分かってるけど
分からないふりをして
君にLINE
君はやっぱりいつも通り
紫陽花は暇なんだよ
そんなこと考えるなんて
カフェ行きたいだけやろ?
とLINE
そう きっとそう
私は君とカフェに
行きたいだけだった
そう言い聞かせながら
新商品の甘平パフェの
オレンジのジュレを
心の澱みにすーっと塗った
家の澱みのゼリーの床も
きらきらぷるぷる
オレンジのジュレになあれ