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スレッドNo.1804

慟哭   晶子

遠く 遠く
言葉が辿り着けないほど遠くに
あなたたちは
いってしまったのだろうか
ここにいる私は
ただ黙って祈っている

大地は支えてくれると思っていた
晴れた日は良い日と思っていた
木陰はもう安らぎを与えてくれる場所ではなくなって
木々も見えない霧に傷ついた
二千十一年の春
これぐらいが宮城沖地震だったらいいね
三月九日に言った言葉は
宙に舞って壊れて散った

十二年前
横浜にある家の庭で
大きく渦を巻くような地面にしゃがみ込みながら
草木のざわめく音や
物がぶつかる音と共に
聞こえてきた慟哭が
誰のものなのか
十二年経った今も
わからない

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