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スレッドNo.1809

評ですね。3月17日〜20日ご投稿分  雨音

長いですが、一気に投稿しますね。

「夏」ルナさん
ルナさん、こんにちは。お待たせしました。
夏の爽やかな空気を一行目から一瞬で運んでくるような
そんな透明感のある作品。
タイトルが「夏」であることを一瞬忘れていたのですが、
夏の日、板の間の上に寝転がってカーテンを膨らませて
入ってくる風に吹かれたような感覚になりました。
こちらの作品は一行おきで書かれていて、まずそれが目に入ったの
ですが、読んでみると、わざとそうしているのかなという間を
感じたので、この作品はこれでいいのかなと納得しました。
ただ、これから書かれていくときには、
もう少し抑揚を持たせていくという意味で、まとまりをつけて
書いたものも見せていただけたら嬉しいなと思います。
繋がる行どおし、があったらいいですね。
ルナさん、これからも楽しみにしていますね。

「無常」松宮定家さん
松宮さん、こんにちは。3月も後半になりましたね。
そう、新芽の季節ですよね。
桜の花も菜の花も賑やかに朗らかに咲き乱れる美しい春ですが
私はそんな中、芽吹くみどりたちをみるのがとても好きです。
ですからこの作品はとても共感しながら拝見しました。
紫陽花たちの意気込みを聞きながら
「時が満ちてあなたが咲く日を楽しみにします」という
メッセージにも聞こえてくる作品ですね。
特によかったのは4連の世界の秘密、です。この二行はとっても
いいですね。
全体としては、前半どこかに遠回しな表現が入ってくると良いかも
しれないですね。四角いものを四角、三角なものを三角、という
感じではなくて、少し遠回しにしてみるとより4連目が生きてくる
そんな気がします。試してみてくださいね。
松宮さん、佳作二歩手前です。

「ふたつのそつぎょう」じじいじじいさん
じじいじじいさん、卒業シーズンですね。
それとともに新しい生活も始まる、それが3月ですよね。
マスクが子供に与える弊害というのが取り沙汰されて
いるのですが、マスクなしの生活って本当に懐かしいです。
さて、こちらは卒業がテーマ、ひらがなだと
幼稚園の卒園式が設定の方がよかったかもしれませんね。
小学6年生だもんね、ひらがなはNGかなと思います。
内容的にも6年生だともう少し大人びているかなと、なので
そっくりそのまま幼稚園の卒園式にしてしまうか、
漢字を混ぜて、グッと大人っぽくするかどちらかにして
みてはどうでしょうか。
特に、小学校から中学に上がるときは、子供はググッと
心身ともに変わる時期ですし、本当に大きな節目です。
ぜひご一考ください。

「春愁(メランコリー)」U.さん
U.さん、こんにちは。雨が降り始めました。
こちらの作品ですが、期待を込めて佳作一歩手前です。
厳しいんだけど、すごく期待を込めています。
なぜなら(ちゃんと理由があります)この作品、節々が
とっても素敵なんですよ。節々というか、どれもこれも。
ではなぜ、一歩手前なのか、ですが、それには大きな理由が
あります。U.さんは毎回一生懸命書いてくださるので、今回、
私も心を鬼にしてお伝えしたいと思います。
前置きが長くなりましたが、一番大切なこと、それは、
流れ、です。ひとつひとつの連はとても良いのです、とても
美しく構成されています。ひとつひとつ挙げていきたいくらい
感心しています。お話もきちんと見えてくるのですが、
それぞれがなんとなく孤立しているんです。
ひとつひとつの連が手を繋いでいる
そういう風に伝えてくることができたら最強だと思います。
ひとつひとつの言葉を選んだり表現を見つけたりすることと
同じくらい、全体の「サラサラ」具合を良くすることに
力を注いでみてください。すごく楽しみにしています。

「学園祭」大杉司さん
大杉さん、こんにちは。雨も風も、春の嵐です。
学園祭についての作品、画面越しの学園祭なんですね。
ギターの演奏もそうやってたくさんの人に聴いてもらえるのは
いいなあと思います。気持ちよく弾けている感じが伝わって
くる作品でした。淡々と書かれているのですが、日常の中の
少し違う時間を切り取って書かれた感じがなんとも言えず
しみじみとした空気感を伝えてきます。
また来年、その言葉の向こうには、これから1年後、という
希望も感じられつつ大袈裟でないところもいいですね。
構成もよくできていました。

「夜明け前」理蝶さん
理蝶さん、こんにちは。
良い作品だと思います。佳作です。
なんの映画かはわからないのですが、前半は映画の描写、
そして、映画を一時停止してからは主人公の思いと
大きく二つに構成されていますが、その兼ね合いが
とても上手です。前半をブルー、後半をグリーン、としたら
構成上は2色がくっきりしているのですが、読んでみると
絶妙に混ざり合った美しいマーブリング模様を見ているような
そんな気持ちになりました。
生きているだけで、もう十分過ぎるほど、尊いんだよと
伝わってきました。

「つづき」やまうちひとしさん
やまうちさん、こんにちは。
「つづき」ってとても良いタイトルですね。
そして内容もすごく素敵でした。
なのですが、「大聖堂」の突然の登場に少し戸惑いました。
やまうちさんの中では最初からあったものだと思いますが、
読んでいる人にとっては突然の登場になってしまいましたので
何か少し情景を加えてからの登場の方が良さそうです。
その後の物語にも繋がっていくので、ご一考くださいね。
全体としてはすごくよかったのですが、そこだけが
残念な点で、もったいなかったです。

「せつ人茶」紅桃有栖さん
紅桃さん、こんにちは。雨があがりました。
さてこちらの作品、実は私にはかなり難解で悩みました。
活人茶というのがもしかしたらあるのかしらと調べたら
活人ドリンクというのが出てきましたが、ちょっと違いますね。
一方で、せつ、は活の対比で節約の節かな、それとも、
切かな、最終的には刹那の刹かなと想像しています。
というわけで、解釈にかなり悩みつつ、こうなったらと
好きなように読ませていただきました。
実際問題として、紅茶は歴史上大きな事件をおこしています。
それとリンクしながら勝手に読ませていただいたのです。
些細なことでも、実は辿っていけば、大きな出来事につながって
いるかもしれないというのは本当のことです。
それをごくごく日常の中にある「紅茶を飲む」という行為に
繋がっていく構成がとてもお上手でした。
一連とか見事ですね。全体として、そういった流れは
本当に見事の一言に尽きます。
解釈がはっきりしたらもっと感情移入できたかなとそれが
ちょっと残念でしたので、佳作一歩手前です。

「霞の衣よ佐保姫を呼んで」香月さん
香月さん、こんにちは。
どうやら主役は桜のようですね、きらきらと光の粒が
見え隠れする春らしい明るさの作品になっています。
この作品を通して初めて知ったのですが、佐保姫、というのは
春の女神様なのですね。しかも、春の季語、和菓子まで!
さらに佐保姫神社まであるのですね。とても勉強になりました。
このタイトルの通り、白く柔らかな春霞の衣をまとう若々しい
女性と考えられているということですからこの作品の通りです。
ただ、コンクリートがよくわからなくて、もしかしたら、
現代を示しているのかな。そして、桜も踊り子として捉えて
いらっしゃるのかしら。
作品全体としてはかなり濃密に書かれていますが、一番光ったのは
最終連でした。この一行のためにここまで書かれたのだと感心
いたしました。これは好みにも寄りますが、前半は少し表現が
重なる部分があるので、少し引き算すると良いかもしれません。
そのほうが柔らかさが生まれてきそうです。参考までに。

「アウトプット」山雀詩人さん
山雀さん、こんにちは。日差しが入ってきましたよ。
早速ですが、この作品、とってもいいと思います。佳作です。
第一に、山雀さんらしさがすごくいいです。
第二に、ああ私も人間だったっけ、というなんとなく思い出した
大切なことがとても良いと思います。
第三ですが、バランスが良かったですね。
書きすぎず、略しすぎない、走りすぎず、止まらない、そういった
全体的な軽やかさが沁みました。
なんでも感じるところから始まりますよね。
人間だからね。
そうそう、あえていうなら、最後から二行目、−鼻水か、は
別の言葉の方がいいかもしれません。そこだけほんのちょっぴり
残念でした。

「キュンです」喜太郎さん
喜太郎さん、こんにちは。
あらまあ、本当、キュンだわ!と呟いてしまいました。心の中で。
とっても可愛らしい青春の一コマ。なんか青春って言ってるだけで
すでに自分の年齢を実感しております。
こちらはもう詩というより、ショートショートみたいになって
いますね。もう少し、詩に寄せる方法もありそうですが、
これはもう可愛いからこのままでいいかな。
ちょっと評価は難しいので保留させてくださいね。
ところで、これで感染するなら本望だなと思ったのは
私だけでしょうか。喜太郎さん、楽しい時間をありがとう。

「口喧嘩はキューピッド」ふわり座さん
ふわり座さん、こんにちは。
喜太郎さんに続く青春(また書いちゃった)がここにありますね。
甘酸っぱいわ。
口喧嘩って実はすごいものなんですよね。口喧嘩って意外と
難しいんですよ。一方(僕)が完全にメロメロしてるので、
最初から、勝敗は決まっているようなので、深刻にならずに
成り立っているのでしょうね。そして、最後まで読むと、
タイトルの妙が伝わってきました。
そのあたりは本当によく構成して書けていますね。
ふわり座さん、上手になったね。感心しました。
構成がしっかりしてきました。
以前は、思いの丈を次々に繰り出していたのですが、今回は
すごくご本人が配分しているのを感じました。
応援の意味も込めて、佳作一歩手前です。

「月のかげ」江里川丘砥さん
江里川さん、こんにちは。
何人か毎回投稿して来てくださる方がいらっしゃいますが、
江里川さんもそのお一人ですね。真摯に書き続けられていて
感心しています。
こちらの作品は、佳作プラスです。
タイトルから、言葉のひとつひとつ、そこに流れている感情、
どこからどこまで、どこをとっても申し分ないです。
とても良かったし、とても好きです。
こういった作品を拝見すると、評を続けるのは大変なのですが、
やってて良かったと思います。ありがとうございます。

「おでかけ日和」凛さん
凛さん、こんにちは。
この作品を読んで、胸がギュッとなる女性は多いと思います。
「おでかけ日和」ってとてもほんわかしたタイトルですが、
内容は全然浮かれておらず、冷静で、ほんのちょっぴり切なく、
そこを褒めるのもなんだかなんですが、それが本当に良いなと
思いました。匙加減も絶妙でしたね。一つだけ提案なんですが、
各連の終わり二行は全部揃っています。三連目か四連目で、
ちょっとだけ変化球があると面白いかもしれません。
ご一考ください。
おまけの佳作です。


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春ですね。お忙しい方も多いと思いますし、季節の変わり目で体調を崩される方もいるかな?
どうぞ優しい時間もお過ごしくださいね。

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