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スレッドNo.1830

背中  鯖詰缶太郎

テーブルの隅に
千円札を、一枚
気づかれないように
そっと、置いて
人の悪口で会話を成立させている飲み会を
抜け出した

あなたたちも
もれなく、笑われている

それが、わからず
背筋が伸びているのなら
そんなダサい背中は、いらない

すっかり、あたたかい季節になったのに
あなたは、まだ、猫のように
背中を丸めているのだろうか

あなたが
怒っている顔が
なかなか、思い出せないのは
あなたの笑っている顔が
好きだからだ

誰が、なんと言おうと
あなたの背中が
誰よりもかっこいいと、思っています

他の人を見おろさないように
こうべをたれるように
猫背になる
あなたの背中を。

ところで、お元気ですか?
季節の変わり目には
あなたは
笑ってしまうほど
必ず、風邪をひいていたので
心配です

くしゃみをするあなたを
想像しながら
僕は
かつて
あなたと
酒を酌み交わした事のある
桜並木の道を
背中を丸めて、歩いた

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