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スレッドNo.1838

Blues

僕たちの意識の中に
山がある 海がある 町がある
彼がいる 犬がいる 君がいる
触れる 見えている 僕がいる

だから世界はここに在る
当たり前だろそんなこと
だって誰にも見えている

はてと立ち止まる人がある
心の中と外の世界
感じているのは意識の世界
それならどちらも同じ世界

それは人間だけのもの 
狭くて小さな一部分
その外のことを僕らは知りえない

なんでだろう

人間同士で決めつけているだけだから
鳥の目で見たこともないくせに
虫と話したこともないくせに

人間には見えないもの 触れないもの
それらはみんな「無い」ものになる

答えがなくてなんだかよくわからないもの
それらもいつしか「無い」ものになる

人間至上と旗を立て 「在る」ものだけを追い求め
ガリガリと削り続けてきたんだね

中央広場で栄光の旗が靡《なび》いてる
天《そら》高く鳴り響くトランペット
拍手喝采 歓喜の嵐 
どこまでも続くパレード

その広場の路地裏から 
Bluesが滴《したた》り落ちている

誰の耳にも届くことのない 
Bluesが滲《にじ》み漏《も》れている

繁栄の陰に捨て置き去られ 
「無い」のだから聴こえない

路地裏の角からパレード眺める少年の
眸《ひとみ》の奥に雨が降る 永く重たく雨が降る

あったかいおうち おいしいごはん
やぶれてどろどろにならないくつ

ほんとうはあの子たちみたいにくらしてみたいけど
口からこぼせばママがなく パパがなく

だからぐぐっとのみこんで うたうことしかできないの
いつもいつでもくちびるかんで
血をなめたらまたのみこんで 
うたうことしかできないの

みいんなみんなうたってる
みんなみいんなうたってるよ

人の心の柔らかさ誰も忘れてしまったか

歓喜掻き消す|一閃《いっせん》の 稲妻 刹那 沈黙の
その隙間を深く|抉《えぐ》ればいい

見て見ぬ振りと知りながら
それでも僕らは目を逸らす

そのうち何も感じずに

麻痺して仕方無しと謂う
麻痺して仕方無しと謂う
麻痺して仕方無しと謂う

人の心の柔らかさ 君も忘れてしまったか

編集・削除(編集済: 2023年03月28日 15:28)

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