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スレッドNo.187

猫の衣 おおたにあかり

「ナンジュウにも猫を被って
生きているんですよ」
ある人がそう言っていたのです

聞いていた詩人は手を叩いて
「何十猫って面白い!」
私は
「何重も被っていたら
さぞかし暑くて重くて辛いだろう」
気の毒で心配になりました

もし、丸裸になるのなら
キミから何十剥がして
わたしは何重脱げばいいだろうか

そんなこと考えていたら
詩人が
「これは詩になるね」
とメモを取り始め

「お役に立てて光栄です」
何十猫か何重猫か
どう書くのかわからないけれど
その人は目を細め、喉をぐるぐる
嬉し気に鳴らしているのでした

すっかり猫そのものになって

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