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スレッドNo.1875

2023/3/28(火)〜2023/3/30(木)の感想と評になります。 齋藤純二

春雨     埼玉のさっちゃん さん     3/28


春雨の雨音ですね。私はタブレットで雨音を聴きながらほぼ毎日、眠りにつきます。好きなんですよ、雨の音。子どもの頃は屋根がトタンでしたので、その雨が弾く音が最高に好きでしたね。評者に雨音さんがいますが、きっと雨音が大好きなんでしょうね。ちなみに雨音さん「あまおとさん」なんです。ずっと「あまねさん」だと思っていました。
と、いうことで今回の作品は春雨で雨音の良さに気づいたお話になってますね。雨=憂鬱から、雨=楽しみへの気づきは今後の雨の日での気分がガラッと変わるんじゃないですかね。傘に当たる雨音が音楽のように聴こえ楽しくなり、心もしんみりと落ち着いていく感じが作品から感じられます。ふとした日常から楽しみを見出す素敵な内容になってます。このような気づきのセンサーは詩人にとって、表現をするために必要な感度なのでしょう。しっとりと気持ちが伝わってきて良かったです。評価はつけないことにしましょう。
またの埼玉のさっちゃんさんの作品を楽しみにお待ちしております。





ワニとバイオリン     喜太郎さん     3/28


赤いワンピースと赤ずきん、ワニとオオカミ、設定が「赤ずきん」よりになっていますね。話の流れはワニがどうもひ人なんだろうなあ、なんて思いますね。「赤ずきん」の原作ではオオカミが危険な者として出てきますが、こちらの話では少女がワニを部屋に誘い、正直に「あなたを食べてしまうから……」と言うワニ、オオカミとは違う設定なっていますし、少女がひと夜を共にして、自分に生えた尻尾を揺らすところから、両想いの恋の話(大人の情事)になっているようです。あなたを食べてしまう、という口先を包こみ抱く場面、目に浮かんできていいですね。そして読者が想像を膨らませて拝読するとたぶん18禁のストーリーにもなるのでしょう。うーん、そうなると男を誘うのだからこの少女は……。
語りは18行で場面が流れる映像がなめらかで、完結しているところが凄いです。悲しげで、なのに楽しげでバイオリンを弾く情景を作り読者をストーリーに惹き込み、ワニが被ってきた帽子を抱きしめ音色を聴く様子など、ファンタジーな感じもいいですね。ワニは中折れ帽を被ったおしゃれさんだったのか、などと思いをふくらませて楽しく拝読できる楽しい作品になっています。

タイトルがなんとなく「ワニと少女」、あるいは「ワニとバイオリンを弾く少女」、「音色」とかなのかな、と思いました。「ワニとバイオリン」=「者と物」だとちょっとズレてしまいますかね。
評価は「佳作」です。





再会     やまうちあつし さん     3/28


初めまして、やまうちさん。わたくし、さいとうと申します。何卒、よろしくお願いいたします。今回は感想を書かせていただきます。

ふと思い出しクスッと顔が綻んだ場面が浮かんできますね。あの人のあの時に感じた雰囲気を思い出し、「ごきげんよう」と思い出を歓迎している様子がほっこりです。そして、今ではあの人の名前も言葉も思い出せないけれど、心の中にはいい印象が残っているのでしょう。ありますのね、そういうことって。私は匂いで記憶を遡ることが多いです。よくあるのがある香水の匂いを嗅ぐと幼稚園の頃の心持ちを思い出したりしますね。幼稚園の先生がつけていた香水なのでしょう。五十年前なのにスッとその頃の自分に「再会」するのですから、面白いものですね。そういった潜在的にあるいくつもの感情の記憶がそのひとらしさを飾りつけているようにも思います。
思い出し笑いよ、ごきげんよう。いい作品ですね!





Blues     freeBardさん     3/28


freeBardさん、初めまして。わたくし齋藤と申します。何卒、よろしくお願い申し上げます。今回は感想を書かせていただきます。

とてもエネルギーを感じる作品ですね。世界には光と陰があり、ひとは陰になり見えなくなったものがあるじゃないか、って訴えているメッセージを強く感じます。鳥の目、虫の話のくだりは、見えているものだけでなく、そこにある心を読みなさい、相手の心を想像することの大事さをうたっているようです。とても詩的な感覚で作品が組み立てられていることに、書く力量を感じられます。
もしかしたらひとの意識の中で「見ようとしない」というのが根本にあるみたいなところを描かれているのかな、なんて思いながらも拝読しました。「麻痺」という言葉が、それを物語っているような気がします。陰に光を当て見るためには、知ろうとすること、知らせること、訴えること、手を差し伸べること、だけどこちらの作品にあるように自分にある現状から見えない、見ようとしない、利己的な心が優先してしまう困難な生き物なんですかね、ひとは。博愛の目を持ち、ブルース(悲しみ、孤独)を癒し歓びを共有できる世界になって欲しいものです。
考えさせられる作品は読みごたえがありました。





絶望は 空から 降ってくる     森山 遼さん     3/28


森山さん、こちらの掲示板にあげる作品は最低でも五行以上となっていますので、今後はもう少し言葉を盛ってご投稿ください(掲示板のご案内参照)。
少し改行すれば五行以上になりますが………。短い詩は書き手の思いをどれだけ読者が共感(どちらかというと共鳴ですかね)させられるかにかかっていると思います。そのひと自身の根にある魅力が充分に言葉から滲み出せたのなら、作品として素晴らしいものになる気がします。





スタンダード     妻咲邦香さん     3/29


僕が読者に語りかけるように(「君」に話し掛けているスタイル)、地元の様子をソフトで親しげな感じで伝えているのがいいですね。山が雲の帽子を被り誰かに似てるとか、カフェにはサンドイッチが二種類しかない、そんなくだりもほっこりします。
「僕」が現時点でスタンダード、あるいはスタンダードの立場ではないといった両極端から拝読出来ますね。私は前者のスタンダードという柄じゃないけれど、現時点で僕はスタンダードなんだろうというジレンマを感じている作品と読みました。「永遠に君に刺さるものを描けない」、スタンダードを壊すことが出来ない日々は、僕を壊しているようですね。もしかしたら180度立ち位置が違くて、僕は君が好むようなスタンダードなものが描けない(描きたくない)、という意味かもしれませんが。「壊れることも出来ないままに/あと十分で電車が来る/それを逃したら君は/一時間以上待たなくちゃならない」ここの「壊れることも出来ないままに」では、壊れることが個別なことでなく、「君」と「僕」との関係性からも来ているのですね。
終盤では僕がスタンダードな日々(自分)を壊せずに、同じ花を咲かせるように同じような日々を過ごしていくのだろうという、ちょっと不思議な切なさも受けましたね。誰かと過ごす日々は暖かく、「壊したいものが何だったか」と、ひとを丸くさせてしまうのでしょう。それは果たしていいことなのだろうか、つまらないことなのだろうか……。
スタンダードを意識した時点でもうスタンダードなのでしょう。ひとと比べないスタンスが壊れず壊すことなのかな、なんて感じながら拝読させていただきました。
読みごたえ充分な作品で「佳作」です。





ラナンキュラスは知っている     紫陽花さん     3/29


ラナンキュラスって、どんな花かなと思い検索しますと花びらたくさんつけ魅力ある花でした。ここから冬の秘密が暴露されてしまうのですね。その様子を見て「私の秘密で遊んでいる〜」って感じで、冬の閉じこもった感覚から解放される気分が上手に表現されている作品になっています。日常で出会う花を眺めながら、自分の気持ちをその景色に重ねて言葉を綴る、詩の楽しみの醍醐味ですよね。こういう作品を拝読していると詩っていいなあ、とあらためて感じます。自然にちょっと言葉で遊びながら、楽しめるのですから。今回は評価をつけずに、ここで読者に遊んでもらいましょう。超ほっこりです!




RUN 鯖詰缶太郎さん     3/29


友がヤバい精神状態なのだろうか、そりゃ急いで話を聞いてやらなくちゃ、手遅れにならない前に、って感じですかね。「今まで、ありがとう」これは聞き手からするとSOSだよなっ、えっ河童!?どころじゃないようです。「河童」が唐突な登場ですが、るんぱっぱるんぱっぱといったように自分が酔っている状態ってことなのかなと思い拝読しました。ということは、酔った状態で自転車を転がし、「いい奴」な友とのことを思い出しながら風を切っている、ちょっとデンジャラスな感じですが、無事に友のところへたどり着けっ、と願いながら作品を追っていました。もし素面なら、河童やカップヌードルのくだりは頭に浮かんでこないだろうから、そう考えると突拍子もない河童の登場もしっくりくる作品になってきます。
もしかしたらこれは全て夢の中の話で、現実にはこの友を助けることが出来なかったという見方もできます。その心に引っかかっている語り部の想いが夢となり描いたストーリーなのかもしれません。ああ、こっちかもしれませんね。「お前の街は何故、遠い?」このへんで臭ってきます。すると「俺はいつだって間に合ってみせるから」というのが切なくなってきますね。
まあ、作品で一番言いたいことは、友がピンチの時は俺がいるじゃないか、待っていろよ、という友のもとへ走っていく気持ちなんでしょう。ちょっと疎遠になっていたようだけど、やはりその友が自分にとって大事でいい奴なんだ、という思いを楽しかった場面を回想しながら描き、ちょっとふあふあした平衡感覚を失った表現は構成もよい作品に仕上がっています。
タイトルの「RUN」というのは作品とフィットしていない気がします。英語だからかもしれません。「友よ、あと三分で着く」とかで、いいんじゃないかな。

評価は「佳作」です





。。。。。つぶやく。。。。。

どうでもいい話なのですが……
今朝がたの夢。
高速道路を運転していましたら、
車高の低い車?に玉突き事故を起こしてしまったようだ。
お互い路肩に寄り、相手の車を見ながら私が警察に電話している。
衝突した時もしっかり見ていたけれど、
その車はどう見てもUFOの円盤の形をしていて、
運転席がオープンカーのようになっていた。
相手の運転手に怪我はなさそうだったけれど、
なぜかアフロな髪型をしていている四十代の女性だった。
ちょっと面倒なことになったな………
と、目が覚め評の続きを書き始めたのでした。
じゃんじゃん。なんやそれっ!

編集・削除(編集済: 2023年04月08日 15:29)

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