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スレッドNo.1890

214番教室

冷たい風が吹きつけていた1973年2月
214番教室の前で僕は君を見たと思う
僕はいつものとおりタバコをくわえていた
長く伸ばした髪の毛が風にさわいで
なかなかつかないマッチを何本も擦った
僕のかっこうがおかしかったのか
君は笑っていたと思う

今思えば
あれは君ではなかったか
あの優しい微笑みは君ではなかったか
何でもない一つの情景を
覚えている僕は
愛したのではないか

異常に暑かった1973年9月
一時間も遅れてしまった授業に急ぐ僕が
201番教室の前で見つけたのは君ではなかったか
寂しそうにゆっくりと歩きながら
手にもっていたアジビラを丸めて屑籠に捨てた
あれは
君ではなかったか
コトコトと
人生なんて
そう聞こえそうな靴音をたてながら
214番教室へ向かっていたのは
君ではなかったか

幸せな日々が続いていた
1973年11月
生協の書籍部で僕が見つけたのは
君ではなかったか

あの日がもう一度来るなら
僕はあんな馬鹿なまねはしません
もうあんな馬鹿な僕じゃありません

そして今
また2月ですね
もうすぐ試験ですね
3月4日5日6日
あの214番教室の前で
僕は君を見つけられるでしょうか
あと2年ですね卒業まで

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