旅人かへらず エイジ
1993年10月17日
シカゴ、オヘア空港に降り立った
既に3回目のアメリカだった
語学学校のレセプショニスト
ベッキーさんが迎えに来てくれた
1年半の留学だったけど
沢山すぎる思い出が残った
みんなで食べたドミノ・ピザ、サブウェイ、マクドナルド
ビリヤードにボーリングに明け暮れたユニオン
夜遅くまで友達と勉強したクリストファー・センター図書館
ランニングにジムに水泳 汗を流したフィットネス・センター
発音をカセットテープで徹底的に練習したランゲージ・センター
留学生とアメリカ人学生と討論した思い出……
今 僕の第二の故郷として甦る
インディアナは ヴァルパライゾ大学
いつまでもとどまっていたかった
最低4年はいたかった
僕らは留学生 なので
絶対帰らなければならない家がある
断腸の思いで去った……
まだ僕の思いはかの地の
大学のキャンパスを彷徨っている
永劫に彷徨うことだろう
人生の旅人となって
ああ「※1幻影の人」よ
※2旅人かへらず
※1 西脇順三郎詩集「旅人かへらず」の序文より
※2 西脇順三郎詩集より