菜箸の威信 まるまる
水玉模様
縞模様
好みに合った柄付き菜箸
キッチンを少し 華やかに
台所の主婦の 余裕
子どもの頃に
見慣れていたのは
昔ながらの木の菜箸
端から端まで
飾りは 無し
一日に一度は「塩ひとつまみ」
直接指でつまむのをためらう
指に塩が付いちゃうから
ものぐさの私の手は止まる
鍋を混ぜる
昔ながらの菜箸片手に考える
煮汁の箸で 塩は取れない
どうしようかと考える
鍋を混ぜる
昔ながらの菜箸片手に鍋を見てたら
ひらめいた
飾りのないこの木の菜箸は
反対側も菜箸になる
ひっくり返して塩壺に
すっと差し込み 塩ひとつまみ
指と同じに美味しくできて
壺にも馴染む その菜箸
端から端まで木の色の
昔ながらの菜箸は
飾りも気取りも 何もない
キッチンに華ももたらさない
端から端まで木の菜箸は
飾りも気取りも何もない
だけど代わりに
無駄もない