変身 鯖詰缶太郎
朝
目が覚めると
私は
サハラ砂漠を照らす
曙光になっていた
私の光を浴びて
情熱を渇望する
イキモノたちが
ふたたび
生命を始める
ずいぶん
あたたかい光になったものだ
昨日の夜
私の命は尽きようとしていたのに
誰か知らないが
ありがとう
もしかしたら
眠るように
つかの間の夢を見ているのかもしれないが
こんな夢を見る事が出来る私は
いい人たちに出会えてきたのだろう
私の命の最後が
最初の光に
今
自分がどんな顔をしているのか
わからないが
たぶん
わらっている
だから
友よ
愛した人たちよ
悲しまないで
私は今
世界でなによりも
幸せな存在なのだから