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スレッドNo.2078

チャイムがなる頃に  理蝶

夕暮れた充溢した魂は
鉄箱に入れられ今カーブを曲がる
煙突に登る煙が
どこまでもたなびく先を見飽きたら
僕の居場所に近づいた頃

河川敷に寂しく描かれた放物線は
やがて煤けたグローブに収まり
また放物線が描かれるのを待たずに
次の景色が流れてゆく

空は宇宙の縁とこの星の光が混ざり合い
どこかロマンをくすぐるような
秘密めいた青さで
紙飛行機が本当にこの星を飛び出すと
信じていた日を思い出す

窓がある いくつもの
通り過ぎる いくつもの
枯れた観葉植物 揺れる洗濯物
微かに震えるガラス 窓際に据えたベッド
高く鳥は鳴き 稚児は空を見る
彼はまだ退屈と恐怖を行ったり来たりする
そしてもう少ししたら
紙飛行機はこの星を飛び出すと信じるようになる

この繰り返しだ
この繰り返しは
いつまでもいつまでも
続くのだ

魂を入れた鉄箱は速度を落とし
少し停止する
魂は交差し散り散りになる
そしてまた鉄箱は動き出す

それぞれの居場所に帰った魂は
新しい魂を抱きしめ潤し耕している

内側から吹く退屈も
歯が痺れるような緊張も
それでいい そのままがいい
全てはこの星に受け継がれる
暖かく崇い繋がりのために

魂は彷徨い出会い
残しまた彷徨う
この繰り返しだ
この繰り返しは
いつまでもいつまでも
続くのだ

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