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スレッドNo.2079

木漏れ日の中で唯独り  U.

五月の風は
涼やかで
蜜蜂の羽音に戯れる
妖精のよう
甘酸っぱい花の香りと
黄色い花粉を運んでくる

そんな風の中を揺蕩う私は
いつも反対側が空虚なの

なんて言うか
ベンチに座っていると
右側の視界の端には
いろいろな物が
サツキの生垣に花が咲き
遠くにブランコが揺れ
開かれた本が置いてあり
カラフルな光が乱れている

でも、左側は壁
白い何もないただの壁が視界の端にあるの
それが
重いとか何とか言うのじゃない

ただ、なんて言うか
上手くは言えないけれども
本当に唯だの何もない壁があって
それでもって
唯それだけなのだけれど

目の前には
もちろん
緑の芝生が広がり
葉桜の木がスクと立ち
陽の光がステンドグラスのように揺れているし
手には飲みかけの缶コーヒー

でも、どちらを向いても
左側の視界の端には
いつも
何もない壁があるの

それが
別になんてことはないのだけれど

唯、何となく
私の命取りになるなあって
そんな気がするの

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