日曜のバイオリン弾き 小林大鬼
日曜の柏駅を降りて広がるダブルデッキ
撤退したそごうの茸型の
展望台付きビルは鎖されたまま
蝸牛のようなエスカレーターの先に
若者が一人バイオリンを弾く
バイオリン弾きを見ながら
人々は流されるように降りてゆく
古ぼけたビルの狭間の誰もいない空の下で
若者は一人バイオリンを弾き続ける
観客の視線は映画のエンドロールのように遠ざかる
緩やかなエスカレーターを降りると
渋い老舗の喫茶店と大判焼屋が見えて来る
日曜の柏駅を降りて広がるダブルデッキ
撤退したそごうの茸型の
展望台付きビルは鎖されたまま
蝸牛のようなエスカレーターの先に
若者が一人バイオリンを弾く
バイオリン弾きを見ながら
人々は流されるように降りてゆく
古ぼけたビルの狭間の誰もいない空の下で
若者は一人バイオリンを弾き続ける
観客の視線は映画のエンドロールのように遠ざかる
緩やかなエスカレーターを降りると
渋い老舗の喫茶店と大判焼屋が見えて来る