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スレッドNo.2117

記憶 紫陽花

あなたは 泣いていた
肩を震わせて
時々鼻もつまらせて
あなたは泣いていた

あなたの記憶には
蘭を育てていた彼女
金魚を可愛がっていた彼女
そして日向のような笑顔が
あなたに向けられていた

私は笑っていた
そんなあなたを見ながら
私は嬉しかった

私の記憶には
薔薇の棘が嫌いな彼女
子供を毛嫌いする彼女
眉間に皺を寄せて
私を睨む彼女

あなたはやっぱり
泣いていた
彼女のために

私はあなたの涙が
嬉しかった
もしかしたら
私は彼女のことを
愛していたのかもしれない
そして私のことを
愛して欲しかったのかもしれない
私はもしかしたら
彼女の本当のところを
何も知らなかったのかもしれない

薔薇の花が咲いて
その棘に刺される
そんな季節に思い出す
私とあなたと彼女の
大事な記憶

編集・削除(編集済: 2023年05月18日 22:25)

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