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スレッドNo.2146

春眠  妻咲邦香

丈夫な檻の中、運動場の片隅で
寄り添っている、短い寿命と長い手足
内側に上手に畳んで、真白い腹でも隠すように

肘を付いて食べる癖はもうやめよう
そう思って以来、私の半分は亡骸で
毎日背負って歩いてはいるが
誰よりたくさん跪いた自信がある

予報が外れて晴れた空
枝々は一斉に手を伸ばす
きっと握手がしたいんだ
雪形も消える頃には
手のひらを出来るだけ増やして
競い合う、お互いに
それはおそらく私の咆哮でもある
暁に助けを求め、天を仰いだ
季節の変わり目に亡骸の乾いた指先が
空腹のあまり雲を掴む
さっき与えたばかりなのに
お皿は既にからっぽだ
だから空よ、あなたの力をどうか分けてと

思い出さなきゃいけない歌がある
レッサーパンダにウォンバット
ミーアキャットにアミメキリン
日の当たらない場所をわざわざ選んで
寄り添っている、亡骸のように
舐め合っている、弱さを分け合い
弔いでもするかのように
だから今は

思い出してあげなきゃいけない歌がある

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