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スレッドNo.2166

2023/5/23(火)〜2023/5/25(木)の感想と評になります。 齋藤純二

介護の現実     Lisztさん     5/23


お久しぶりですLisztさん。
Lisztさん、とことん介護でお疲れだろうと思います。作品をご投稿されるのも大変だったことでしょう。少しでも詩作の時間と投稿されることでお気持ちが穏やかになればなあ、そう思いながら拝読させてもらいました。

穏やかで誠実な母親の術後の変化は、「これは現実?」といったようになかなか受け入れなかったことが、とても伝わってきました。私の母親も最近、膝を骨折したのですがギブスを付けながらも、動かずにいられない性格は変わらず回復も早く助かりました。Lisztさんのお母様のようにショック、痛みや環境の変化によっては、性格すらも入れかわってしうような現実は、なんともお辛いことだとお察します。
現在の母親への自身の誠実さを考えている場面に、過酷な状況、感情での介護という現実を今は受け入れるしかないという、その気持ちがひしひしと伝ってきます。
やはり介護には手の数があればあるほど、介護される側もする側も良いとは思いますが、なかなか難しい問題なのかもしれませんが。
どうかご家族がいい方向へ向かわれることを願い、今回の感想とさせていただきました。

評価は「佳作」です。





嘘つき     喜太郎さん     5/23


優しさ。こちらに出てくる「あなた」はとてもソフトで荒波を立てず、「私」にいつも優しく寄り添ってくれた方のようですね。しかしそれは、優しさであって嘘でもあったという表現がなかなか深い内容になっています。この嘘というのは、あなたが本当のあなたらしさを出せなかったということを、私もあなも気づいてしまったのかもしれませんね。
別れもなるべく傷つかぬよう、心を少しづつずらしてゆく、最後まで相手を思うやはり優しい方との時間は、これから私が進んで行くための想い出になっていて、こちらの作品の素晴らしいところだと思います。
あなたの笑顔には嘘などはなく、支えられた。だけどあなたも弱音を吐いて欲しかった(「きっと一人で寂しかったんでしょう?」)、と私が「愛おしむ心」を知ったのだろう、と思いながら拝読しました。

説明的な流れがずっと続いていますので、「見つめ合い流れる時間の川の中で」のような詩的な表現をもうひとつ、ふたつ入れると、もっと読者にぐぐっとくるでしょう。

評価は「佳作」です。





がんばる頑張る     じじいじじいさん     5/24


前半は子ども向けでひらがな、後半は大人向けに漢字を絡めつつ、といった構成で斬新な作品になっているようですね。子どもが読み大人を知ろ、大人が読み子どもを知るってことがあるかもしれませんね。とても構成が豊かでした。

今回はかなり主観的な感想となってしまいますが、聞き流す程度でご拝読ください。
全体的に「がんばる」と押し切っていまして、「頑張っていれば明日は晴れるよ」ということへの説得に到達していない気がします。要はこちらの作品を拝読して「さあ、がんばるぞ!」といっしょに応援したくなるかが肝となるわけです。もしくは読者にがんばれと訴える作品でもありますから、「そうそう、あなた、がんばれよ」と思わせることも含まれるのでしょう。
作品に物語があれば、その登場人物を応援したい気持ちが芽生えたりします。中島みゆきさんのファイトという歌詞だと川をのぼっていく魚がいて「闘うきみのために闘わない奴らがが笑うだろ、ファイト」といったように、がんばっている者に対して応援したくなります。こちらの作品だと「涙の理由」、「雨に濡れた理由」などを場面として綴り、「そうだったのか、がんばれよ」と思わせれたらいいのかな、と。また、がんばるには「楽しみ」「達成感」「その過程での充実」など、がんばることに含みを持たせないと「がんばる」と言ってもなかなかその気にはなれないかな。
と言いつつ、詩は締切がない限り、がんばって書く必要はないので楽しんで書きたいものですね。がんばるの先の世界で書きたいものです。

評価は「佳作一歩前」です。





中有を彷徨ふ     積 緋露雪さん     5/24


初めまして積さん。わたくし齋藤と申します。何卒、よろしくお願い申し上げます。今回は「初」なので感想を書かせていただきます。

中有を彷徨う。死後、この間に彷徨い親戚周りをするというのはよく聞きますね。子どもに会いに行ったり、孫に会いに行ったり、配偶者に会いに行ったり、「それがさあ、昨日婆さんがそこに立って俺になんだか話しかけているんだよ」みたいな話はありますね。
こちらの作品では、そういうことではなく、自死したものが彷徨う話になっていまして、その者たちのことを第三者が語り、その語りを聞いていた者が最後に「祈ることしかできぬ無能な存在は人間と気づけよっ。ちぇっ。」と締めくくる。さて、こちらの作品は何を伝えようとしているのだろうか。読者はまずそこが気になる。単純に自死は良くないからやめなさい、ということだろうか。いやいや違うな、迷う者がいてまずは我々は無能な存在ということを知り、ただ祈ること、信じるものは救われる、ということだろうか。

彷徨う者の話には「〜かもしれない」と何度も綴られ、やはり中有の世界は想像の話となっていることが分かる。と、いうことはこの語り部は自死した者に対しての思いを語っている。語り部が自死をしようと考えているわけでもない。彷徨う者たちにそのようになってしまった自身を呪え、と厳しいことを言っているが南無阿弥陀仏と唱え労っている優しさも垣間見える。わざわざ彷徨う者たちへ語り、「どんだけ中有を彷徨う者たちを心配してんだよ」と思いながら、なんだかこの語り部がいい人に思えながら、不思議な世界を満喫させてもらえた作品でした。力量のある作品を楽しみました。

またの積さんのご投稿を楽しみにお待ちしております。





木の戦争     やまうちあつし さん     5/25


木の戦争。むっむっ、いったいどんな話が始まるのだろうと意味深なタイトルですね。
木を擬人化して話が進められ、最初は些細なことから始まる。枝や根による侵略、武器により血が流され、そして核の存在だろうか、木の存在によって表現しているというのが凄い表現でインパクトがありますね。

戦争で変わってしまったのか? 戦争でよりいっそう自分に近づいたのか? ここは迷言であって名言のようですね。戦争体験者でない者にとっては、戦争について考えたり想像することからでしか分かりませんが、追い詰められたことによって今まで知らない自分に遭遇するのかもしれません。ここは深い意味合いを感じます。
木が銃の引き金が上手く引けないという場面、思わず目に浮かんでくるようです。変に引き金に枝が絡んでしまうのでしょうか、そうですね、わたしたち木には殺し合いは不向きだと呟き、拝読していましてなんだか納得です。状況を上手く伝えることに成功していると思います。

ただ、こちらの作品はもっと磨けるような気がします。構成、設定がとてもユニークで木の戦争ということで、これは来たぞ、という感じでしたが後半でプツンと終わってしまったのが残念でした。
①些細な案件→②戦争で自分が変わる、自分を知る→③引き金が引けない→④戦争に不向きがどうか、誰かがそんなの分からないと言う。この流れの中で②から③がちょっと不自然に思えます。戦争ですでに血が流さているのに、いまさら銃の引き金が引けない。③から④となり、やはり終わってしまっているのがもったいないですね。こちらの作品でメッセージというか、表現しようとする主軸を考えた時に「戦争とは」「私たちとは」みたいなところだと思うのですが、後半に作品を書くための体力や持久力も必要だったと思います。作品をもっと磨いてくだされば、島さんの言う名作へ絶対になると思います。

評価は「佳作一歩前」です。





掟     紫陽花さん     5/25


いや〜、こりゃ凄い作品ですね。生きていくには掟に従っていないと……。とっても共感してしまいます。職場には上司という掟があり、幼い頃には父という掟があり、ずっと掟の中で生かされている、っていうのが強く伝わってきます。自分の身を守るために掟に従う語り部、そして、その掟は自分の思い通りに強制して、満足の笑みを浮かべ楽しそう、とニヒルな口調で語り作品を構成しているというのが、なんともいい意味で苦味の旨みが出ていますね。短い作品ですが上手にまとめられていまして、インパクトがあり、「私」の心情がきちんと伝わってきます。「掟は今日も元気に楽しそうだ」。ここの小馬鹿にした感じが個人的には最高に盛り上がってしまいました。

こちらの作品を拝読して、学生の頃に宿題を忘れただけで先生にゲンコツで殴られ、たんこぶをつくり廊下に立たせられたことなど、私も当時の掟を思い出したりしましたね。ああ、極めつけは何かの罰で、教室の前に立たされ大木に捕まる格好をさせ、ミィーンミィーンと蝉の真似をさせられたこともありましたね。その掟(先生)の名前は今も忘れないです。今でしたら大問題になっているでしょう。昭和というか、まだ軍隊の名残りがあったのでしょうか、嫌な掟でした。今でも腹立つわ、失礼。かなり脱線してしまいました。

一連と二連を入れかえた方がすんなり読めるのかな、と思いました。
評価はもちろん「佳作」です。





。。。。。つぶやき。。。。。

今(夜)、実家からの帰宅中の電車でヴァン・へイレンの『1984』を聴いているんですけど、ほぼ40年前のアルバムがぜんぜん古くないしノリノリだな、と。気がついたら首を縦に振っていて、Padを握る指がトレモロさせちょい変なオヤジになっていたようです。まあ、人生は短しノリノリで生きていこう、なんて思うのでした。

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