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スレッドNo.2194

探していた  樺里ゆう

かつてのわたし
小中学生だった頃のわたしは

自分がよく映る鏡を
探していた

他人という鏡を

小学六年の頃
誰某くんがわたしを好きだいう噂を聞いたら
その人のことを少し意識するようになり

中学三年の頃
やたらと目が合う人がいて
彼の後ろ姿を
授業中につい見つめていた

どちらも性欲は伴わず
世間で恋と呼ばれるものだったのか
今もわからない

ただ あの頃のわたしは
自分が綺麗に映る鏡を覗き込んでは
自分という存在を
少しずつ
踏み固めていったのかもしれない

その意味で言うなら
あの頃のわたしは
他人とちゃんと向き合っていたとは言い難い

しかし今のわたしが
他人の目に映る自分なんざどうでもいいと
思えるのは

かつてのわたしの
おかげかもしれない……
なんてね

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