悲しみの花 エイジ
人は誰でも悲しみを
抱えて生まれてくるものです
生きるとは心に
悲しみの花を育てること
それは真っ赤な花で
心の奥底にある
川の流れのほとりに咲く
その花を一生をかけて育てていくのです
心の流れを辿っていくと
濃赤色の悲しみの源流に
行き当たるでしょう
どうか心配しないで
赤心という言葉があります
その流れは真心からくるものです
あなたはやがて年老いて
彼方の世界へ旅立つとき
心の中の赤い花
そのものになるでしょう
花が枯れて色褪せるように
あなたの身体からは
血の気も失せるけれど
不滅の種子を運命の階(きざはし)に
蒔いていくでしょう
いつかの復活を夢みて
人は誰でも悲しみを
抱えて生まれてくるもの
心の中の悲しみの川
そのほとりに咲く
一輪の赤い花を
見事に咲かせて
生きてゆきましょう
無常の風に
激しく揺られながら