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スレッドNo.2206

御礼と報告です  秋冬

「MY DEAR」でお世話になっている同人、投稿者の皆様、温かい言葉を頂きありがとうございます。

本日、日本現代詩人会の「日本の詩祭2023」に参加し、懇親会にて「HP投稿欄新人」の表彰を頂き、その後、投稿詩を朗読してまいりました。
新人賞及び新人に選ばれた四人の中では最年長者ということもあり、若い方々に負けないように地道に書き続けよう、という良い刺激を受けて帰ってまいりました。(朗読した一篇をこちらに紹介させて頂きます)



時との対峙

昨日も、明日を捕まえようと待ち構えていたのだが、寸でのところで逃げられてしまったのは、明日の速さを甘く見ていたからで、今日は両手を広げ、息を整えて身構えている。あと一分だ。相変わらず姿は見えないのだが、気配は感じているから、何とかなりそうな気がしている。あと十秒になり、息をころす(※)。 (※)漢字

あっ

捕まえたと思ったら、するりとすり抜けた。手応えはあったのに。明日は今日になっている。僕も昨日から今日に移動したのだ。こうなったら、時間を止めるしかない。あるいは、昨日に戻って、今日を捕まえ直すか。

明日か明後日か

医師から宣告されたのは、一昨日だったか、昨日だったか。とにかく、明日を捕まえて、しばらく待ってくれるように頼むしかないのだ。医師は手を尽くしたらしいが、息子の僕は最期まで足掻く。

明日の捕まえ方
昨日への戻り方
今日の止め方

明日を捕まえた、という投稿を信じて二日やってみたが、かなり難しい。一か月繰り返せば、できる気もするが、そんな時間はないのだ。昨日への戻り方、今日の止め方に方向性を変えることにする。

病室の父はすやすやと眠っている。時と対峙する僕の背中に、もういいから手を握ってあげて、と母の声がする。僕は時と対峙するのをやめて父と対峙し、手を握る。

昨日も今日も明日もなく、大切なのは今なのだ。もう父も望んでいないような気がしたのは、手を強く握り返されたから。右手を母が、左手を僕が握り、その時を待つ。


私のホームは「MY DEAR」なので今後ともよろしくお願い致します。

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