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スレッドNo.2266

6/6〜6/8までにご投稿分の評と感想です。  井嶋りゅう

お待たせいたしました。
6/6〜6/8までにご投稿分の評と感想です。
ご投稿された詩は、一生懸命書かれた詩ですので私も一生懸命読ませていただいておりますが、上手に意味を読み取れなかったり疑問を書いたり頓珍漢な感想になったりする場合もございます。申し訳ございませんがそのように感じた場合には深く心に留めず、そんな読み方もあるのだとスルーしていただけると助かります。どうぞ宜しくお願いいたします。


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「こころ」じじいじじいさん

じじいじじいさん、こんばんは。
良いですね。「なみだのなかはちがうんだ」というところで、見た目は同じでもその時によって流れる意味合いは違うから、ほんと、色がついていたらいいなあ、なんて思いました。大人になって、どうしてあの時涙が出たのだろう、とふと思い出すときがあって、私は自分で自分の感情に疎いときがあります。涙は奥が深いですよね。とてもシンプルに書かれてありますが、このシンプルさが今回とても良いと思いました。おまけの佳作といたします。


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「深淵の底には」積 緋露雪さん

積 緋露雪さん、初めまして。
井嶋りゅうと申します。どうぞ宜しくお願いいたします。
お作、なかなか面白いと思いました。少し古い時代の言葉遣いで雰囲気があります。得体の知れない「深淵」と淡々と向き合い、思考分析して、その深淵がいつも渦を巻いて存在していることを明かしてくれる。その渦はどこまでいっても渦であると知るまでの過程や、目玉に湧く光と闇の深淵が表裏一体であるかのような仮説、black holeの存在の後押し、そして「野生を身に付け」たという表現のかっこよさ、とても良いと思いました。読み応えがありました。ひとり語りの小説を読んだような読後感もあって、個性も光っておりました。面白いお作品でした。


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「青」喜太郎さん

喜太郎さん、こんばんは。
お作を読んで、床屋さんのサインポールをふと思い出しました。最近見かけたもので。「これは人間の血管なの」というセリフがあったドラマを思い出しました。余談でした。
今回のお作品、実はけなげで切ないんですよね。「赤い空は夕焼け」から以降、とても良いんですよ。ラストの1行も良かったですね。この良さをもっと決定付けるために、前半の青の例えをもう少し柔らかくしたいというのが、今回の私の感想です。少しもったいないと感じましたので。
2箇所あるんです。

2行目「汚れた赤を集めながら」→「疲れた赤を集めながら」
7行目「身体を巡る時は汚れ役」→「身体を巡る時は掃除役」

以上の2箇所なんですが、これはあくまで私の提案なので、ジャッジは喜太郎さんにお任せいたしますが、少し柔らかめになった流れでラストまですんなりいけるような気がいたしましたので、その意味での提案でした。宜しかったらご一考ください。可愛らしい良いお作品でした。佳作一歩前といたします。


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「やむにやまれず」水野耕助さん

水野耕助さん、こんばんは。
「やむにやまれず」この気持ち、よ〜くわかります。詩を書いている者たちのサガなのかもしれませんよね。どんな詩を書いていようと、上手とか下手とか、もうほんと全然関係なくして、詩を書いてる時、書き終わった時、また書き始める時、その書いている時間というのは皆んな同じなんですよね。その瞬間の気持ちの共有が描かれていてきっと詩を書いている方達はおおいに頷いたのではないかと思いました。最初の2行も良いですね。言わなければ言わなくてもいいのかも知れないけれど、生きていくために必要だったのが詩を書く行為であった。それはやむにやまれずであったかも知れないけれど、必要であったのだと、水野さんのささやかな意志を感じました。詩に対しての姿勢がストレートで良かったですね。佳作半歩前といたします。


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「言葉の贈り物」エイジさん

エイジさん、こんばんは。
エイジさん、こちらのお作は佳作以外ないでしょう! 1連目でもう心をつかまれてしまいました。心の奥底には川があって、言葉が白い可憐な花となり、その樹の小枝を焚くと暗い道を照らす灯火となる。そして、カムパネルラの言葉がやってきて、また言葉と心が繋がって詩の前半よりも壮大な結末になる。はい、とっても良いですね。特に5連目が入ることで、意識を少し別のものにふっとそらして、また戻ってくる、この書きかたがまた良かったんです。思考も深く粘り強かった。素晴らしいお作だったと思います。特にアドバイスなどはありませんね。佳作以外ないと言いましたが、佳作プラスといたします。


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「それは残念だよ」yellowさん

yellowさん、こんばんは。
6行目から7行目「ただ〜だった」ここですが、淡々と過ごす日常が、実は精神安定の鍵だったりするのかもしれないのですね。でも一方で、その安定とはうらはらに虚しさも存在する。ラストの「空虚だ」がとても効いています。9行目「それで良いのか」ここも、温度は低いですが、安定を受け入れることへの抵抗と自身への叱咤を感じました。13行目「適切であるが不適切」ここが非常に良くて、この行の前の行をスパッと斬ってしまう鮮やかさでした。こちらのお作を何回か読みましたが、とても客観的なんですね。現状の自分をとても良く理解していて、常日頃から自身と向き合っているのだろうと思いました。だからこそ、決して感情的にならずに「空虚だ」に辿り着いているのだろうと考えました。タイトルもこちらのお作への気持ちを一言で表したようなタイトルになっているのかな、と思いますと、効いているな、とまたここでも思いました。考えさせられる良いお作品でした。佳作一歩前といたします。


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「王さま」山雀詩人さん

山雀詩人さん、こんばんは。
このお作の良いところは、目の前の現実が辛くて目をつむるのに、さみしくなってまた目を開けてしまうところにあると思いました。何が見えなくなっても、孤独の城で空想の翼ひろげてどんなに楽しくても、しっかりと心の目に現実は刻まれていて、しかもさみしいから目を開けるというんですね。「さみしいから」という気持ちがとても切ないんです。ぼくは王さまだと言うんですね。この世界はぼくのもので、想像力だけで世界を創造できて、現実は簡単に消えうせて、たぶん自分の好きなものだけがあふれる世界になるのでしょう、でもやっぱり誰も居ないのがさみしい。想像力豊かな少年のけなげな切なさが胸にせまりますね。しかも文体が柔らかいので、更にぐっときます。
「泣き虫で弱虫だけど/でも最強の
ぼくは王さま」
泣けてきます。佳作といたします。


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「カレンダー」埼玉のさっちゃんさん

埼玉のさっちゃんさん、こんばんは。
あ、なるほど!と思いました。今まで私はカレンダーを見て、少し先の予定や約束など未来のことばかり考えて眺めていたことに気づきました。そこには人がさほど介入していなくて、自分のことばかり考えていたように思いました。なので、この気づきはとても新鮮でした。カレンダーの種類と一緒で、人も様々。そこから、ご縁や日々の充実などへ想いをふと馳せる時間は、とても大切なことだなあと思いました。梅雨入り前の午後、というのも良かったですね。貴重な晴れ間のように、詩もさわやかに感じました。佳作一歩前といたします。


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「寡黙」朝霧綾めさん

朝霧綾めさん、こんばんは。
このお作のように寡黙でいようと思うかたは、無智ではないと思いました。この謙虚な姿勢は、無智なかたには出来ないと思うんです。2連目は本当に私もそう思います。考え方を理解することは出来ても、気持ちを完璧に理解することはできない。自分だったらこう思うよ、と教えることは出来るけど、最終的に相手の思うことは自由だから批判するのも違うような気がするし、助言も何だか偉そうに感じちゃうし、、、というような気持ちが入っているのかな?と思いました。だからこその「寡黙」、あえての「寡黙」を貫こう、という静かな意志を感じますね。身近な人間関係だけではなくて、世界には自分が知らないことが沢山あって、それに意見するには足りないものが多すぎるから「夜」が明けるのを待っている、そんな祈りのような詩にも感じました。とても良いお作品でした。おまけの佳作といたします。


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以上、9作品のご投稿でした。
どうもありがとうございました。
またどうぞ宜しくお願いいたします。

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