ドリップ 喜太郎
心を取り出して
細かく砕いた
更に細かく すりつぶして
ドリップペーパーに入れる
お気に入りのマグカップに
心をドリップしてみた
ほのかに香るのは想い出たち
甘くもあり少し酸味も…あの頃かな?
少し苦い感じが伝わるな
カップを覗くと琥珀色に似た色
黄昏が似合いそうな色
もうそんな色が似合う歳なのか?まだまだだろう
さてさて お味の方は 久しぶりだから変わったかな?
苦い………ほろ苦いなんてものじゃない
あの頃はまだ甘くて美味しかったような
砂糖とミルクが足りないらしい
いや 足してないんじゃない
諦めた夢と捨て去った希望
だからか 苦さが増してしまった
ドリップペーパーの中
残ったモノをライスペーパーで包み
飲み込んだ
もうしばらく先に再度ドリップしてみよう
まだまだ…イケる!
ミルクと砂糖も忘れずにダナ