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スレッドNo.2351

正解をください 紫陽花

猫が来るようになった
ちょうど父の49日あたりから
猫が台所の大きな窓の下に
音もなくやってきて座っている
私をじっと見ている
後ろに視線を感じると
猫がいる

その猫は灰色で
その大きな瞳も灰色で
でも その目だけは
私を見ているようで見ていない
まるで そう 
まるで鏡を見ているような感覚
私の後ろにいる誰かを
見ているかのような
その猫の目には私の姿なんて
映っていなかった
その猫の目には
父がいた

父がいなくなって
私には正解を求める存在が
いなくなった
父はいつも私に
どちらの色が好きか?
という簡単な問いから始まり
どんな仕事をしたいか?なんて
難しい問いまでをしてきた
いつも私に父の持っている
この世で一番正しい正解を
答えさせようとしてきた

私を静かに見つめる猫の目に
私はまた何か問われているような
試されているような

私は今日も正解を導き出そうと
猫の前で唇を噛みしめている

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