風のそよぎ エイジ
草葉が風にそよぐと
あの風はどこから来て
どこへ去ってしまうのか
という思いにいつも捕らわれる
どこからともなくやって来て
誰も知らないどこかへ去ってしまう
風は一流の詩人だ
悠久の時を吹く風
というものがあるのだろうか
忙しなく輪廻を繰り返す
そんな風があるのだろうか
今朝朝焼けに感じた風と
今晩夕焼けに感じた風は
きっと違うのだろう
想えば紅茶の香りや
花の香りを
そっと運んできてくれる風は
なんという詩人なんだ
想えばこの地球(ほし)に
風を添えたのは
抜群の演出だった
風よ
明日午後12時30分頃
僕が透析に向かう頃
自宅前のバス停辺りで
そっとそよいでくれ
辺りの草葉を揺らし
そっとそよいでおくれ
どこからか良い薫りを
運んできておくれ
吹き荒れる必要はない
ただそっとそよいでくれるだけでいい