眠り 大杉 司
暗い病室で独り眠りながら
あなたは今日101歳になられた
しかしどうだろう
あなたは気付いていない
歳を取ったことすら忘れてしまうほど
長い夢を見ているのか
それともただ寝ているだけなのか
僕には分からない
もし夢を見ているのなら
綺麗な花に包まれて
幸せに笑って過ごしてほしいと
僕はそう願う
活発だったあの頃を思うと
あなたは最大に老いてしまった
足腰も急激に悪くなり
今は立っていられない
眠ることで体を休めて
起きたら会話をして
昼になったら食事をして
夜にまた眠る
その繰り返しで時は進んでいき
今は深い眠りについたまま
あなたは暗い病室で独り
寂しく淋しく過ごしている
目を覚まして元気な姿を見せてほしいと
前まで願っていたが
今はもうそのままで
どうかそのままで静かに眠っていてほしい
あなたのその強さ
あなたのその生命力
どれも尊敬致します
僕もそうでありたい
暗い病室で独り眠りながら
あなたは今日101歳になられた
しかしどうだろう
あなたは気付いているのかな