夢ヶ先燈台 上田一眞
蒼い空と碧い海を突き破る
白い燈台
一羽のはぐれ鳥が憩う
花の燈台
大海原を前にして
ひとり屹立するその姿に
孤独と
強さを見る
陽は陰り
海上を照らす石造の燈台
明滅し 回転しつつ光を放ち
宇宙の果までとどく
そして
僕の心を遍く照らす
僕の悲しさ
僕の悔しさ
僕の曖昧さ
僕の矛盾
燈台の元 一夜彷徨う
星の光とレンズの閃光が交差する
光は僕に語りかける
人生の分からなさ
人の心の不可思議を…
僕は確信する
禍福は糾える縄の如し
ただそれだけが
人生の真実だと…
夢ヶ先燈台に夜明けが来る